最後まで読まないで

塾の英語の授業中、先生が黒板に英文を書いていた。私たちはそれを必死でノートに書き写す。先生のチョークがカツカツと音を立てて進んでいく。授業が終わり、先生が「今日の板書はここまで。しっかり復習するように」と言して教室を出た。私はノートを見直して、ゾッとした。先生は授業中、一度も黒板を振り返らず、ずっと生徒たちに笑顔を向けたまま、後ろ手で完璧な英文を書いていたのだ。