それから数日後。
私はまた名古先生に診察してもらっていた。
「ご飯を食べると胃が痛くなる、ですか」
「はい。少し痛いだけなんですけど、気になって」
嘘じゃない。痛いような気がするだけだ。胃もたれもするし。
この前倒れたばかりだし、おかしな話でもないだろう。
「では少し音を聴いてみますね」
聴診器を当てられて、思わず生唾を飲み込んだ。バレてないか先生の様子をそっと窺う。
……真剣な顔だ。これは私がShionだと気づいてない、と思っていいんだろうか?
サイン会のときほどではないけど、髪を整え軽くメイクもしてる。あのサイン会で私が前林紫緒だとわかったなら、何かしらの反応がある……と思う。
気づかれているなら口止めしないと。
そう思って冷や汗をかきながら予約を取ったけど、私の考え過ぎか。
「ところで新作の進捗はいかがです? Shion先生」



