「完璧じゃなくてもいいんです、一日二食とか、寝る時間を少しでも増やすとか……意識してやってきたことは、どれだけ続きましたか?」
「あ……その」
一週間か二週間くらい?
恐る恐るそう話してみても、冷ややかな目つきは変わらない。
射抜くような瞳と目を合わせたくなくて、その上にある形のいい額に注目した。黒髪を撫でつけてオールバックにしているのは、少しでも視界を広くしたいからだろうか?
「……同居しているご家族はいらっしゃいますか?」
「いいえ、一人暮らしです」
「ではお連れの方はご友人ですか?」
質問にうっかり「マネージャーです」と答えそうになるのを、すんでのところで「仕事仲間です」と言い換えた。
──先生、せっかく〝美しすぎる彫刻家・Shion〟のイメージを作ったんですから、ぜ・っ・た・いに崩さないでくださいね!
笑顔の圧力がよみがえる。



