眠り続けろピグマリオン




 それからぽつりぽつりと話してくれた真実は、こういうことだった。

 尚紀さんは──好きな人の“寝姿”に興奮するのだと言う。


「……フェチなの?」

「今はそう言うんだね」


 尚紀さんは力なく微笑むと、私に向かって頭を下げた。


「すまなかった」

「尚紀さん……」

「君の同意を得ずに、君の身体を好き放題した」


 彼の真摯な謝罪に、私は何も言えなかった。

 ここで許しても、妙なしこりが残ってしまいそうな予感がしたから。

 だけど私は怒ってはいない。そりゃあ驚いたけど、真相がわかってすっきりしてるのが本音だ。


「顔を上げて」


 とにかく顔を見て話をしたくて声をかける。

 尚紀さんはゆっくりと顔を上げた。その目には光がない。

 ……もしかして、別れを切り出されると思ってる?


「私気にしてないし、別れるつもりもない」


 少し待つように伝えると、私は“あるもの”を取りに行った。