私はパソコンを閉じると、その隣りに拳ひとつ分を空けて座る。彼の腕は一瞬ピクリと震えたけど、拒絶されることはなかった。
何を言えばいいのかわからなくて、尚紀さんも何も言わず、静かに時計の針の音だけを聞いている。
「……その」
思い切って話しかけると、空気がいっそう重苦しくなった。
「いつ頃から? えっと、ああいうのは……」
我ながらもっと別の質問をすべきだったと思う。
それでも発した言葉は元に戻せない。尚紀さんは刑を言い渡された罪人のような顔でポツポツと語り出した。
「……付き合い始めてからすぐ……」
「触るかキスだけ?」
「うん」
これは嘘じゃないだろう。それ以上されたらさすがに起きる。
「ナイトウェアくれたのって触るため?」
「違う!」
強い否定に仰け反る。尚紀さんは慌てて「ごめん、驚かせて」と頭を下げた。



