眠り続けろピグマリオン




前林(まえばやし)さん……これで二度目ですよ」


 先生の冷ややかで呆れた視線が突き刺さり、私は診察室の丸椅子で身を縮めた。


「この前もお伝えしたはずなんですが……もう一度お伝えしましょうか?」

「いえ、覚えてますので大丈夫です……」


 眼鏡のレンズが蛍光灯の光を受けて白く輝く。先生は首から下げた〝名古(なご)〟と書かれた名札を揺らしてモニターを確認し始めた。


「それじゃ、言ってみてください」

「えっと……」


 私は一度目に倒れたときのことを必死で記憶の底から探る。

 確か……三食バランス良く食べること、ちゃんと寝ること、お風呂にも入ること、だった気がする。

 当たっていますように、と指を組みながら伝える。


「ええ。お伝えした通りです」


 私は心の中で胸を撫で下ろそうとして、次の質問に固まってしまった。


「ではどれだけ努力しましたか?」

「え」