眠り続けろピグマリオン




 肌寒さに目を覚ました。

 おもむろに起き上がると、足がブランケットからはみ出ているのが見えた。

 ぐっと身体を伸ばしているうちに、寝る前のことを思い出してカメラを確認した。眠る前と同じ位置……だと思う。

 とにかく何が撮れたのか確認しないと。


「紫緒、そろそろ三十分だよ。起きて」


 尚紀さんの声に肩が跳ねる。唾を飲み込んで、普段通りを装った。


「もう起きたよ。昼寝は三十分以内、でしょ?」


 私がドアを開けると、彼は嬉しそうに頷いた。


「覚えててくれたんだね」

「いつも言ってることだもの」


 私はカーディガンを羽織りながら寝室を出る。そろそろ尚紀さんを見送る時間だ。

 いつもなら一分一秒でも一緒にいたいのに、今日だけは少しでも早く帰ってほしかった。


「来週は忙しくなるから、時間ができそうなときに連絡するよ」

「うん、待ってる」