眠り続けろピグマリオン




 その言葉に安心してフォークを突き刺して口に運ぶ。途端にココアの苦味と滑らかな蜂蜜の味が上手いこと絡んで私もにっこりと笑う。

 コーヒーも酸味があって飲みやすい。私は改めてお礼を言うと、最近あったことについて話し始めた。


「一昨日はミュシャの展覧会に行ってきてね、すごく混んでたよ」

「そうなんだ。彫刻にしか興味がないのかと」

「新作のアイデアに繋がるかもしれないし、できるだけ色んなとこに行ってるの」

「それはいいことだけど……風邪には気をつけてね」


 そんな他愛ない会話を一時間ほど続けて、途切れたタイミングで私は席を立った。


「ちょっと眠たくなったから、お昼寝してくる」

「わかった、おやすみ」


 ちらりと彼を盗み見る。

 テレビをつけて、ドラマの再放送を見ていた。おかしな感じはしない。

 そそくさとリビングを出て奥の部屋に入り、支度をしてから横たわった。