正式にお付き合いを始めてからも、名古先生──尚紀さんの指導は続き、どことなく重かった頭が最近では妙にすっきりして快適な生活を送ってる。
それでも気分が高揚してしまったときは、飲まず食わず眠らずで制作に没頭し、尚紀さんに羽交締めで止められた──らしい。
正直そのときの記憶がないので彼に聞くしかないのだけど、げっそりした姿にひたすら小さくなるしかなかった。
交際報告ついでに春河さんにその話をすると、「先生がお一人で改善できるはずないし、ちょっとおかしいと思ってました」と大いに納得していた。失礼すぎる。
それはそれとして私たちを祝福してくれたのは素直に嬉しかったけれど、私の正体を口外しないよう確約させてくれと言い出したのには正直参った。
こうして、なんだかんだありながらも順調に交際を続けていた──続く、はずだった。
時々、奇妙な違和感を覚えるようになったのだ。



