眠り続けろピグマリオン




 一瞬だけ、何も考えられなくなった。


 この人は今、私をShionと言ったの……?


「あの、どうしてShionって……」

「一度目のときに気づいてましたよ」


 一度目? つまり最初から?

 私は頭をフル回転させて、一度目にこの病院にかかったときのことを思い出そうとした。

 ……確か、作品ができたと思ったら倒れてしまって、意識はあったから自分で救急車を呼んだ。

 そのときに名古先生に診てもらって、健康な生活の指標について教えられた……。

 ちょっと待って、つまり「Shionって私生活はダメ人間なんだな」って思いながら診察してたってこと?


「あの、すいません……」

「はい?」

「その……黙っててもらえませんか?」


 私の突拍子もない発言に、先生は目を瞬かせた。


「患者のプライバシーを話したりしませんよ」

「いえ、春河さんに」


 バレたと知られたら何と言われるか。