無理に決まってる。
志保にも迷惑かけるし、何よりここまで来て逃げるとか悔しすぎる。
片手に持つグラスをくるくる回して、カランカランと音を立てる氷に癒されて……。
どういう状況だってばよ。
氷に癒されるためにここに来た訳じゃない。
お腹いっぱいに食べて幸せになりたい。
うん、オードブル取りに行こう。
そう思って一歩踏み出した時だった。
「きゃぁーー!!!」
「……あ、へ?」
甲高い女の人の声がして、
反射的にそっちを向いた時には……
水が降ってきた。
ちなみにここは室内。
水が降ってくるなんて想定外すぎる。
パシャン!!
水が叩きつけられる音が響いた時には
私はびしょびしょに濡れていた。
一瞬、何が起きたかわからなかったけど
視界の端で、バランスを崩した女性とそれにぶつかったらしいウェイターの姿を見て察した。
うん、終わった(色んな意味で)


