恋を隠して、バレないで



あれから、私の頭の中を我が物顔で陣取った有泉さんによって思考が完全に支配された。


ぐるぐるぐるぐる考えても考えても
浮かび上がるのは有泉さんのツヤツヤな黒髪。


そんなこんなで二時間目を終え、今は無心で体育館に椅子を並べている。



明日は入学式だ。

明日入ってくる新入生のために私たち先輩ができることなんて言ったら入学式準備ぐらい。


そんな時ですら私の思考は有泉さん一色なんだけど。




「…ぅう……」

「瀬名ちゃん、大丈夫?」

「委員長……ちょっと考え事してるだけだよ…」

「考え事かぁ……その顔の感じ深刻そうだね」




そんな言葉に首をブンブン縦に振る。


綾華南学園は三年間を通してクラス替えがないから、二年生のクラスメイトは見知った顔ばかり。


そしてこちらの学級委員長こと林原 由佳(ハヤシバラ ユカ)様とも一年生からの付き合いだ。



私は委員長から椅子を貰って一寸のズレもないように並べていく。