「今日は私も挨拶周りで忙しくて、穂乃果を一人にすることがあるの。ごめんなさい」
「私のことはいいから志保は楽しんでよ。私も一人でオードブルでも食べとくし!」
「ほんと……?」
「ほんとほんと!!私も独り立ちして人脈広げていかないとだから」
それから志保とは別れて私は
……いつの間にか会場の隅にいた。
人脈を広げる……私には無理難題だ…。
住んでる世界が違うのだ。
あんなにも一般庶民と仲良くしてくれる志保が珍しすぎる。
分かってはいたが私に話しかけてくる人はいないし、私から話しかけに行ける雰囲気もない。
必然的に居場所は隅っこへ。
周りを見渡す。
楽しそうに笑い合う人たち。
グラスを傾けながら優雅に会話を交わす人たち。
明らかに私とはレベルが、違う会話……。
「……帰りたい」
ぼそっと呟いて、ふるふる頭を振ってすぐに打ち消す。


