「考えすぎなんだよ、穂乃果は」
「え」
「相手が有泉さんだからこんなに悩んでるんでしょ?いっその事、肩書きなんて見なかったことにしたらいいの。 一人の人としてどうなのか」
「……」
一人の人として、か……。
御曹司でも王子様でもなく、ただの有泉さん。
考えようとしても、上手くできなかったことだ。
けれど、逃げてばかりじゃ何も変わらないことは
今この瞬間にはっきりとわかった。
もう一度じっくり考えないと。
“好き”って言葉が
例え有泉さんにとっては冗談みたいな言葉だとしても、自分の感情はしっかり整理しよう。
「うん、一年間も隠れ続けることは無茶だってわかった、自分なりに考える」
「穂乃果ならできるよ。天才だもん」
私の女神さまは、もう一度ポンと肩を叩くとやけに穏やかなに微笑んだ。



