恋を隠して、バレないで




反射的に志保の後ろに回る。



「隠して!」

「はぁ!?」

「いいから!」





ぎゅっと志保の制服を握りしめて隠れながら進む。

ドキドキ心臓が痛い、でもこの痛みがどこから来るものなのか分からない。




「はい、二階到着」




志保の言葉に顔をあげる。

廊下の先を見ても、もう有泉さんの姿はなかった。

嬉しいような、悲しいような。

複雑な感情で心が揺れる。


人混みの隙間から見えただけ。

それだけなのに、キュッと心臓が締め付けられた。





「……あんなに会いたかったはずなのに、なんで隠れてるんだろう」





ぽつりと零す。



“会いたい“気持ちと“会いたくない“気持ち



二つの感情が心でふわふわ浮いていて、どっちが真実か分からない。

思わず足を止めたら

ポンっと肩に手が置かれた。