せっかくピシッと伸びた背筋がもう一度ヘニャヘニャと縮んでいく。
もうやってらんない。
「穂乃果って天才なのにばかだよねー」
「なんだそれ」
なんかもう頭痛い。
朝から色々考えすぎて脳のキャパを超えてしまった。
「私は穂乃果が考えているよりも、もっと単純な話だと思うよ。愛とか恋とかは感情に流されるのが一番!」
「……今後が心配になること言わないで…」
可愛い顔してとんでもないこと言うから困る。
重たい頭を抱えながら、
ほぼ無い気力を絞り出してせっせと階段を登っていく。
あと数段登るとフロアに着く、そんな時だった。
フロアの向こうから、ざわりと空気が揺れる。
何人かの女子生徒がはっと息を呑むのが聞こえて、それと同時に視界がほんの一瞬だけ開けた。
嫌な予感がして、目を細めて凝視して見ると。
「あ」
見えた。
見間違えるはずないあの黒髪。
「志保!!」
「え?」



