恋を隠して、バレないで




理由なんて嫌でもわかる。

春休みに訪れた有名なホテルレストラン。学園に通う生徒の親があの場にいても不思議じゃない。

そこから変な噂が広まったんだ。




「……つら」




少しでも目立たないように、私は顔を伏せた。

そのまま指定された席に着いて、なるべく周りに視線を向けないように座る。




私の平和計画、すべて破綻。




それはもう、笑えるくらい清々しく。

少し泣きそうになって、グッと耐える。





……いや、ほんとうに

一夜にして私の高校生活をめちゃくちゃにした有泉さん、ここまで来たら感服です。





チクチク刺さるクラスからの痛い視線から逃げるように頬杖ついて廊下へ目を向けた。



廊下を通り越して、その先に見てるのが私たちが一年間過ごしたA棟だ。


そして今日から過ごすのがここB棟。
A棟より2倍近く広くて、授業に必要な教室は全てここに集まっている。


だからB棟に通う生徒はA棟にいく必要はない。

私が有泉さんを一年間も見つけることが出来なかったのは必然的だった。