呼び止められて振り返る。
そこには思った以上に近い距離に有泉さんがいて、驚いて思考が止まった。
有泉さんの顔が見られなくて「あ、う」と意味の分からない言葉を出しながら
視線をうろうろと動かす私に逃げは許さない、と言うように手首を掴まれた。
観念して有泉さんを見上げたら、ツリ目と視線が交わる。
陶器みたいな真っ白で綺麗な肌に、じんわりと赤みがかった色味で完璧なバランスの唇。
そんな有泉さんは少し困ったみたいに笑ったら、スルリと落ちてきた私の髪を空いた手で耳に掛けてくれる。
そのまま頬に手が添えられて、諦めたみたいに呟いた。
「……好き」
……あぁ、関わりたくない。



