「理由、ないんです。本音を言うと記念受験でした。一年間の頑張りの成果を見たくて」
「それで受かるんだ。瀬名さんはすごい勉強頑張ったんだね」
「……はい」
「どう?楽しい?」
瞳が私を捉える。
同時にスっと細められたヘーゼル色の瞳。
「っ、たの…しいです」
「よかった」
分からない。
色々ありすぎて何も分からなくなってきた。
重なる視線を私から外す。
これ以上見つめ合っていたら、本当に後戻り出来ないところまで突き進んでしまいそうだったから。
ばかだなぁ。わたし。
有泉さんみたいな王子様のこと、本気で好きになっていいわけないじゃん。
住んでる世界が違うんだから。
本当なら見ることすら許されない。それ以上なんて夢のまた夢。



