恋を隠して、バレないで





「…どれぐらい待ちましたか?」

「ちょうど今来たところ」




黒のスーツに長い前髪を掻き上げられたシンプルな様子なのに、最高級にかっこいい。


────うっすら微笑む破壊力……!


かっこよすぎて力が抜けた私は、よろけてガシャン!と門扉にぶつかった。




「何してるの…」




有泉さんは呆れた声を出しながら、門扉をガチャんと開けて一歩近づく。

すると流れるように私の右手を掬いとった。





「早く乗りな」

「……ハイ」





もう心臓がもたない……。

そんな私に追い討ちかけるみたいに大きな手のひらが私の手をぎゅっと握って歩き出した。




「有泉さん!?」

「なに?」

「ここまでしなくても大丈夫です!?」

「これが普通だから慣れて」

「……はい」