時が経つのはあっという間でディナー当日。
あの日と同じように着飾って、 待ち合わせ場所に指定されたのは私の家だった。
────腰が重い。
美味しいご飯が食べられるはずなのに、こんなに行きたくないことある?
最後の最後まで悩んだ髪は、結局無難に緩くまとめて花の髪飾りを添えることにした。
鏡を見る。
……うん。多分大丈夫。 きっと。おそらく。
ドアノブに手をかけて、扉を開ける。
意を決して玄関から出ると、目の前に黒塗りの高級車が止まっていた。
開かれたドア、後部座席から降りてきたその人。
「瀬名さん」
え
「……?大丈夫?」
……すごい。
まだ待ち合わせ時間まで十分近くあるのに、既に待っていたなんて。
それに信じられないぐらい有泉さんがかっこいい。



