ろくに話したこともない一般人の私を食事に誘って、名前を呼んで、あんなふうに優しくする理由なんて思いつかない。
完全に仕掛ける相手をミスってると思うけど……。
それでも
あの距離。あの視線。あの不自然な優しさ。
思い出すだけでドキドキ心臓がうるさい。
「……わかっていても落ちてしまう人もいるよね」
それはもう、仕方ない。
好きなものは好きなんだ。一目惚れなんだから。
……それにしても、私は何を話した?
自分が外部生の一般人で高級ホテルのディナーで胃が痛んでしまうほど慣れていないことぐらい?
それぐらいなら大丈夫か?
うう〜ん。思い出せ思い出せ!!
うずくまりながら頭を抱えて必死に考える。
これ以上平和が脅かされるのは無理。
いくら好きであろうが平和には変えられない。



