「それで入る?入らない?」
「私に選択権があるんですか?」
「うーん、ないね」
なら聞かないで欲しい。
既に有泉さんに姿を見られている以上“逃げる”なんて選択肢あるはずがない。
……平和が恋しい。
数分前まで恋焦がれて、やっと手に入るはずだった『平和』がまた遠のいた事実。
今の気持ちを一言で表すなら……『絶望』
「表情が豊かだねあんた。まぁーいいや」
「……え?」
最初から返答は求めていないようですぐに本題へと戻る。
「ほら……瀬名さん行こうか」
抵抗できるわけなく、私は促されるまま大人しく部屋へと入った。



