「見すぎ」
「え?」
────バレた。
恥ずかしっ、い……!
一瞬で火傷しそうなぐらい顔が熱くなる。バレないように顔を手のひらで隠した。
無意識に“神様”こと有泉さんをガン見してた!
「……スミマセン」
「別にいいよ。慣れてるし」
ポツリと呟くと有泉さんは、小さく足音を立ててこちらへと向かってくる。
────なんで?
彼の漂うオーラに呑まれて、体の自由が利かない。
あの時もそうだった、全てが支配されたように言うこと聞かなくなる。
近づいてくる足音、縮まる距離。
数秒もしたら、有泉さんの影が目の前に落ちた。
「瀬名 穂乃果さん?」
私の名前。
彼の薄い唇が開き、そう呼んだ。
「……はい」
平和が……崩れる音がした。



