「志保……もし今後会う機会があったら私の代わりに謝っておいて」
「いいわよ。また一週間後にちょっとしたパーティーがあるからその時軽く言っといてあげる」
「……やっぱり二人の間に私の話が流れるのは恐れ多いからいいかも」
「もう、なんでよ!」
忘れていたけど今日が一年生最後の日。
昨日のパーティーを最後に春休みに入っていたら誤解まみれで二週間も会えない地獄を過ごしていたかと思うと恐ろしい。
そう考えるとふっと安心した。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯もう会うことなんて、ない。
瞼を閉じると思い浮かぶ有泉さんの姿。
こんなに志保から聞いても実在するなんて嘘みたい。
でも、このまま夢見心地でいた方が幸せだ。“会いたい”だなんて思わなくて済む。
「……この際健康に生きてくれたらいいや」
そんなことを思いながら、私は窓の外へと視線を向けた。



