大荷物を抱えて教室に入り、ドスンと机の上に無造作に置いて顔を上げると志保がいた。
「それで昨日はどうしたのよ」
「昨日は雷落とされた」
「……何言ってるの?」
志保には昨日あったことを事細かに話す。
水を誤って被ったこと、恥ずかしさから暴走してパーティー会場から逃げ出したこと、そして運命的出会いをしたこと。
「運命って……どんな人だった?」
「どんな人?」
「そう。服は?何色の何を着てた?」
昨日の記憶を掘り返す。
確かネイビーのスーツを着ていた。とっても綺麗でとっても高級そうなスーツだった。
「ネイビーのスーツかな」
そう言った瞬間、ガシッと肩を掴まれる。
驚いて志保を見つめると、目をキラキラ輝かせた彼女が目の前にいた。
「私その人知ってるかも!」
「まじか……本当に実在したんだ」
「うん。ちゃんと心臓が動いていて、これからの日本の経済を支えていく大切な人」



