恋を隠して、バレないで





「ねぇ。だいじょ……──」

「───失礼しました!!!」

「……え?」






こんなの無理だ。



うわぁーーなんでよりによってこんなビジュアルの時に会うの!!せめて濡れてない時に!




私はまたしても走り出した。


きっと、体力もそこそこでパンプス履いてる私の全力疾走なんて高が知れているけど。


何を言っても無駄だと思ったのか男の人は後を追って来ることはなかった。






そこから何とかホテルを出て、
二時間ほどかけて歩いて帰ることに

頭の整理のためにもちょうどいい。


冷たい空気を吸い込んで、やっと頭が冷えてくる。





「……なに、あれ…?」





いや、あの人生きてる?


地上に実は存在しないかもしれない人を見た?


幻覚?
ついに寒さにやられて幻覚を?