恋を隠して、バレないで




意識したらもっと冷えてきた……。
ドレスも肌に張り付いて気持ち悪い。



それにどうやって帰ろう。
こんなにびしょびしょでタクシー乗れるのかな?



歩く?歩いたら何時間かかるだろう。



頭に現れる全ての文字が事態の深刻さを表していて、頭真っ白、体は震える。




と、とりあえず出よう。

ホテルを出よう!!

こんなにびしょびしょで高級ホテル内を歩いていたら綾華南学園に苦情がいくかもしれない。


そんなの死んでも無理すぎる。せめて迷惑だけはかけないようにしなくては……!



何とか力を振り絞り、
もう一度走ろうとした時だった。










「───っ、なにしてるの!」



「うわっ、や!!」









腕が引かれる。視界がぶれた。

そのままポスリとなにかに体が埋まった。

飛び跳ねるように顔を上に向けると、男の人が目を見開いてこちらを凝視している。