こっちを向いてよ、千歳くん。


「ていうか、千歳くんっていうの? 名字? それとも下の名前?」



私は、さっき芹奈がそう呼んでいたからそうたずねた。



「……名字」



私には、低い声で一言だけ。


やっぱり差別だ。




「芹奈は千歳くんと知り合いだったんだ!」



私がそう言うと、芹奈は頷いた。




「うん。千歳とは同中だから知り合いなの! 去年もクラスメイトだったし」


「へえ!」


「2人は? なんか、見てたらあるっぽいけど?」



と、にやりと笑う芹奈。




「千歳くんがさっき助けてくれたの。クラス表が人に埋もれて見えなかったときに、見てくれて!」


「ふーん。やっぱ優しいね、千歳」



急に話を振られて、千歳くんはそっぽを向いた。