こっち向いてよ、千歳くん。


「ほんとだよ! 危なかったあ……千歳くんが庇ってくれなかったら、今頃保健室にいたかも」



私が冗談めかしてそう言うと、芹奈もつられて笑う。


そして、私にそっと耳打ち。



「ねえ。ここまでされても……好きに、ならないの?」



そう聞かれて、私はぽかんとする。



「うーん。まあ、かっこいいとは思うよ? でも、恋愛的かって言ったら違うかなあ」



いい友達になれると思って千歳くんに声をかけているだけだもん。


それに、千歳くんを狙ってる子は多いし、友達にも狙っている子はいるだろう。



友達の恋路の邪魔はしたくないし!



「……早く認めたらいいのにっ」


「なーに不服そうにしてるのー? とにかく違うからね!」



私がそう言えば、はいはい、と軽くうなずく。


そして、視線を、試合に出ている千歳くんの方へ向けた。




やっぱり、かっこいい。



私はまた、彼の後ろ姿を見てそう思った。