こっち向いてよ、千歳くん。


「ねえ、千歳くん!! 今の見てた!?」



私は顔を輝かせて、千歳くんにそう言う。



「ああ。見てた」


「えっ」



すんなりと頷いた千歳くんに、驚きで目を白黒させた。



「……なに」


「い、いや! なんでもない!」




そこで、ふと思い出す。



私の不調は、千歳くんに見られてるって意識してたから……?




いや、流石にないか。



そう思い、すぐにその考えを振り払った。




私を横目で見ながら、コートへ行こうとする千歳くん。



そこで、何かを思い出したのか、振り返った。




「なあ、あんたって……」




と、そこまで言ったところで。



千歳くんは、目を大きく見開いて、叫んだ。


そして、私の方に向かって走り出す。