こっち向いてよ、千歳くん。


「なあ」


「は、はいっ!?」



突然のことに驚いて、声が裏返った。



「……ふ、変なやつだね、やっぱり」


「なっ! 変じゃないよ! 千歳くんが驚かせてきたの!」


「てゆーか。あんた、行かなくていーの」



そう言って、千歳くんは指さす。



「え? っ、あ!! やばい私、試合出なきゃ!?」



芹奈、なんで置いて行ったの~!?


心の中で悪態をついた。



「ほんとに。ころころ表情変わって、あんたのこと見てて飽きないよ」



それって誉め言葉……? なの、かな?


それよりも、だ!



私は試合コートの方へ向かいながら、千歳くんの方を振り返って声を出した。