こっち向いてよ、千歳くん。


「あ、華乃、千歳に惚れた?」


「なっ、芹奈! 惚れてないって!」



私が千歳くんを見るだけで勘違いされて……。


私、できるだけ芹奈の前では千歳くんのこと見ないようにしようかな……。




―――ピーーー!!



その時、試合終了のホイッスルが鳴った。


どうやら、千歳くんのチームが勝ったようだ。



見ないと決めたばっかりだったのに、目は自然と千歳くんの方へ向いていた。



「華乃? 次、あたしたち試合だからね? コート先行っとくねー!」



そんな芹奈の声も聞こえず、千歳くんの嬉しそうな表情を見ていた。


そして。



……え?



千歳くんの視線が、こちらに向いて。


私たちの視線が交わった。



千歳くん、こっち見てる?


いや、気のせいかも。



でも、勘違いではないようで。


千歳くんはまっすぐ、こちらの方へ来た。