こっち向いてよ、千歳くん。


「……華乃? どうかしたの?」



はっとすると、芹奈が心配そうな表情をして私の顔をのぞき込んでいた。


そして、私は笑顔を見せた。



「いや、なんでもないっ! ただの考えごと!」


「そ……? それならいいんだけど」



芹奈はまだ疑うような目をしているけれど、私は気にしないように笑った。



「それより! 今日1時間目から体育だよ?」



私はそう言って、時間割表を指さした。



「うーわ。すっかり忘れてた。バスケだっけ。前髪崩れるじゃんっ」



芹奈はコームを取り出してその場で前髪を整える。


すぐにそういう行動が出てくる芹奈はやっぱり女子力が高いみたいだ。


私はそこまで美意識も高くないし……やっぱり美しさは努力だよね!



「時間割変更とか、ならないのかな? そしたらあたしの前髪は守られるのに」


「確かに! まだ可能性は捨てきれないよねっ」



そう話していると。


体育教師が教室までやって来た。