こっち向いてよ、千歳くん。





















―――とある金曜日の朝。


私は芹奈の元へ駆け抜けて、はしゃいだ声を上げた。



「やったっ! 今日で金曜日だよ、芹奈! 明日は休み!」


「もう。華乃ってほんとに犬みたい」



芹奈は私を見てケラケラと笑った。



「明日は何しようかなーっ。お出かけしようかな? あ、そうだ! 芹奈、今度一緒に遊びに行こ!」


「うん、ぜひ! でも部活が忙しいからな……」



そう言ってため息をついた芹奈。


あの部見学の日から1週間が経ち。芹奈はダンス部に入部した。



この高校のダンス部は厳しいらしく、土日も部活が長い時間ある。


休みの日の方が少ないそうだ。




あの日以来―――千歳くんは、ほんの少しだけだけど。


私に軽く距離をとったような気がする。



ただでさえ、私には冷たい彼。だから気のせいだと信じたいけれど……。