「気にしすぎでしょ。まあ、俺はもう帰るから。また」
そう言って、またどこかへ行ってしまった。
私が、彼の隣に立てる日は来るのだろうか。
それは遠すぎる未来のように感じられて、私はまた小さく息をついた。
「……そんなところまで、見られてたんだ」
「俺は、あいつの隣には―――立てない」
千歳くんは、私の数m先で。
ぼそっと小声でそんな言葉をつぶやいていた。
そして、足を止め、私の方を振り返る。
でも、私はすでに背を向けて歩き出していた。
後ろ姿しか見れなかったのは、私だけではなかった。
でも、私はそれに気がつかないままだった。

