「へえ、そうなんだ。でも千歳くん運動得意そうだし、バスケ部とかいいと思うよ? あ、それかチームでやるの嫌とか」
私は首をかしげて、そうたずねた。
すると、千歳くんは、俯いて唇をかみしめた。
そして、彼は、自信の右手で左手首を握りしめた。
「……千歳、くん?」
様子がおかしいように感じて、私は不安げに聞く。
すると、千歳くんははっとしたように、私の方を見た。
「……なんでもない。とにかく、俺はバスケ部入るつもりないから」
冷たくそう言って、千歳くんはその場を立ち去ろうとした。
そして、私は思い出したように、あっ、と声を上げた。
そうだ! 忘れてたけど、私は千歳くんに聞こうとしてたんだ。
今日はずっとそれで千歳くんと話す機会を探っていたのを忘れていた。

