こっち向いてよ、千歳くん。


外から見ているという事は、私と同じ1年生が部見学をしているのかもしれない。



でも―――あれだけ身長が高いのなら、中からの方が綺麗に見えると思うけど。


どうして入らないんだろう?



そう思いながら、彼の方へ近づいた。



そして、しっかりと誰かが認識できるまで近づいて、私は声をあげそうになった。




―――そこには、千歳くんがいた。




声をかけようとしたが、声は出てこなかった。



――― 千歳くんが、教室では見せないような表情をしていたから。



横顔もきれいなんだな、と思いながら、目に入ったのはそこじゃない。


なんだか―――寂しそうな目。



でも、目はバスケに釘付けだった。



自己紹介のとき。千歳くんは、好きなものは何もない、と言っていたけれど……。