こっち向いてよ、千歳くん。


体育館の入り口の扉を開けると、大勢の人だかりが。


これは―――やっぱり、私は見れなさそうだ。



高校に入ってから、低身長が嫌だと思う瞬間は、これで何度目だろうか。


私はため息をつく。



背伸びをしながら一生懸命見ようとすると。ボールが高く跳ね上がるのが見えた。



そして―――ゴールに向かって綺麗な弧を描き。




―――シュッ。




そのまま、シュートが決まった。




「「「きゃあああああ!!」」」




女子の甲高い黄色い声が上がった。



うわあ、すご……っ!!


私は、その瞬間をちょうど見れたことが嬉しくなり。


さっきまでの憂鬱な気分は吹き飛んでいた。