こっち向いてよ、千歳くん。


「というか、なんで千歳? もしかして、やっぱり千歳に惚れちゃったんじゃないの~?」



ニヤニヤしながら聞いてくる芹奈に対して、全力で否定する。


どうしてすぐに恋愛に繋げようとするのか……。



「だーかーら! 昨日も私、言ったでしょ? 千歳くんに聞いてみるって!」



そう言うと、芹奈は少し残念そうな表情をしてから、ああ、と思い出したようにうなずいた。



「あー、思い出した。それで張り切ってるのね」


「そう!!」



私が笑顔で頷くと、芹奈は廊下の方に視線を向けた。



「それなら、廊下で待ち伏せしておいた方がいいと思うけど……」


「へ? 廊下?」



どうして廊下……?


千歳くんが教室に来るのは確実だし。教室で待っておけばいいんじゃ……?



そんな私の心の中を見透かしたのか。


芹奈は笑った。