こっちを向いてよ、千歳くん。



―――翌日の朝。



「ねえ、ちーとせくん!」



私は、まだ眠そうな千歳くんに声をかけた。



「……なに」



返って来たのは、不機嫌そうな声。


でも、私はそれが千歳くんの通常運転だろうと思って、スルーした。



「今日、一緒に帰らない?」


「無理」



一個も目を合わさずに即答する千歳くん。



「そっかあ。じゃあ、明日は?」


「無理」



さっきと全く同じ言葉。


その言葉に、心の中でむっとする。



絶対になんとも思ってない!


心底どうでもよさそうな表情をしているのが動かぬ証拠だ。




そこに、楽しそうな笑い声が届いた。



「あはは! 華乃、千歳のこと誘ってるーっ」


「わっ、芹奈!」


「千歳、誘ってくれてるのに一緒に帰んないの? こんなに可愛かったら断れないんじゃないのー?」



と、芹奈は千歳くんを茶化す。