こっちを向いてよ、千歳くん。


その後も順調に自己紹介は進んでいき。


次は――― 千歳くんの番。




千歳くんは私とは違って、冷静に起立して自己紹介を始めた。




「千歳 那津です。8月24日生まれ。好きなものは特にないです」



それだけ言って、着席した。



「おいおい千歳、好きなもの何にもないのかー?」



先生が声をかける。


すると、千歳くんは少しだけ俯いて。私の方をちらっと見てから首を横にふった。



「ないですって」


「部活とかは?」


「帰宅部です」



……? なんで今、私の方を見たんだろ……?


気のせい、かな?




「そうかあ。千歳は本当にクールなんだなあ」




先生のコメントに、クラスメイトがくすっと笑った。