こっちを向いてよ、千歳くん。

私が緊張していたせいで、自己紹介をするのを忘れていた。




「おーい、如月? 次は如月の番だぞー」


「っ、は、はいっ!」



そう言われて、私は勢いよく席を立つ。


驚いたから、返事の声が裏返ってしまった。



それを聞いて、クラスメイト達は笑い出す。


隣の千歳くんも肩を震わせていた。




もう、先生のバカ! 先生のせいで恥をかいちゃったじゃんっ!


と、心の中で文句を言いながら自己紹介をした。




「如月 華乃です! 誕生日は10月17日で、KPOPが好きです! よろしくお願いします!」




私がそう言うと、パチパチ、と拍手が広がった。



ふう、緊張したあ。


緊張しやすい私は、今も胸がどきどきと鳴っている。





「ねえ、あの子も可愛くない……!?」


「え、思った! さっきの子といい、可愛い子多すぎでしょこのクラス……」


「俺、狙おうかなあの子」




―――緊張していたせいで、そんな周りのクラスメイトの会話は耳に入らなかった。