最前ドセン

推しのライブ直前、隣の席の男の子、Aくんと仲良くなった。やがて公演が始まり、早々に一曲目が終了したかと思うと、メンバーの一人が突然、Aくんの座る最前ドセンを指差してこう言った。今日、本当はあの空席に親友を招待していたんです。でも、あいつは昨日、虹の橋を渡ってしまいました、と。絶句する私は、もはやライブどころではない。意を決し、恐るおそる視線を真横に向ける。すると、もうそこにAくんの姿はなかった。