路地裏にひっそりと佇む小さな古書店で、何かに導かれるように一冊の文庫本を購入した。その物語の主人公は奇しくも私と同姓同名で、性格も境遇も何もかもが自分自身と見事に一致していた。数時間かけてようやく辿り着いたラストページには、十七歳の誕生日を一週間後に控えた主人公が、自宅で謎の不審死を遂げるという実にむごい描写が描かれていた。ふと自室のカレンダーに視線を向ける。意識が遠のいてゆく。