10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!


あたしも、メロンパンの袋を見ながらほほ笑んだ。

健くんの顔を見ることができなくて。

ほのかに温かいメロンパン。

健くんの体温が、まだメロンパンに残っていた。

「教室に戻るぞ」

ズボンのポケットに両手を突っ込んだ健くんは、あたしに背中を向けて歩き出した。

その背中を追いかけるあたし。

手におさまるメロンパンと同じように、心が温かくなった。

「あ、柏木。おかえり」

教室に戻ると、すぐにヒロくんが駆け寄ってきた。

和馬くんは、相変わらず不機嫌そうな表情で机に頬杖をついている。

「健も一緒だったんだ」

ヒロくんが、健くんに目を向けた。

「途中でばったり会った」

素っ気ない言い方。

健くん……さっきの事は、言わないつもりなんだね。

「柏木、ちゃんと購買行けたんだ」

「え?」

「それ、正解だよ。ウチの購買で一番うまいパンなんだから」

そう言ったヒロくんの人差し指が、あたしの手の中のメロンパンに向いた。

「ああ、これは――」

言いながら、健くんに目を向ける。

すると、ヒロくんの後ろで、健くんがスッと鼻に人差し指を立てた。

「俺もさっき言った。それ買って正解だって」

ほほ笑んだ健くんの目が、『さっきの事は、黙っとけ』

何だか、そう言っているような気がした。