あたしの手からスマホを奪い取った和馬くんは、ラインのQRコードを読み取っている。
慣れた手つきで操作をし。
「完了」
今までに見たこともない顔で笑った。
「夜、ラインすっから」
「えっ?」
「どうせ、一人で暇だろ?俺が暇つぶしになってやる」
そう言って、ヒロくんと龍兄のあとを追って歩き出した。
ずるいよ。
そんな顔で笑って言い逃げなんて。
あたしのこの心臓、どうしてくれるの?
静まるまで、時間かかっちゃうよ。
「それじゃね、柏木」
マンションの前で、ヒロくんが振り返った。
「ありがと、みんな。ウチまで送ってくれて」
「ちゃんとカギしめて寝ろよ。トイレもしっかり行っとけよ。それから、お腹もちゃんと入れて――」
「大丈夫だよ、龍兄。柏木だってもう高校生なんだから」
子供の頃のように何から何まで心配する龍兄に、ヒロくんが眉を寄せた。
「……そうか」
龍兄。
なんだか、ちょっと寂しそう。
「おやすみ、柏木」
「おやすみ」



