ドクンドクンドクン――…
な、なに?
心臓が……痛い。
健くんから、目が離せないよ。
顔も熱いし……
そんな真っすぐな瞳で見つめられたら、あたし……
「帰る」
スクっと立ち上がった和馬くん。
プツリと思考が途切れ、やっとで健くんから目を逸らすことができた。
「帰るって、いきなりどうしたんだよ」
ヒロくんが不審そうに眉を寄せる。
和馬くんを見上げる龍兄も、ヒロくんと同じ表情だ。
和馬くんは、ヒロくんに答えることなく、鞄をむんずと掴んでドアへと向かった。
一瞬、健くんを振り返った和馬くん。
ギロリと健くんを睨んでいて。
2人の間に、冷たい空気が走っているような気がした。
和馬くんは、そのまま言葉を発することなく、ドアの向こうに消えていった。
かと思ったが。
「おい。何やってんだ、さっさと来いよ」
顔だけドアから覗かせ、今度はあたしを睨んできた。
「え?あ、あたしもっ!!?」



