グローブに視線を落とす健くんの瞳は、とても優しい色をしていた。
「“これだけは”って何だよ」
和馬くんが眉間にシワを寄せる。
健くんは和馬くんを一瞥し、またグローブに視線を落とした。
「べつに?何でもねぇ」
「何でもねぇわけねーだろ。言えよ」
「………」
無言の健くん。
しばらくグローブを眺めたあと、チラリとあたしに目を向けた。
「……?」
ん? と、首を傾げる。
すると――…
健くんは、スっと、鼻に人差し指を立てた。
しかも、目を細めてほほ笑みながら。
高鳴る鼓動。
熱を帯びる頬。
汗ばむ手の平。
――『みんなには、内緒ね』
今も、内緒って事?



