たくさんケーキを食べた後、口元をふきながら健くんに目をやった。
まだ、コクリコクリと首が動いている。
よくあんな姿勢のまま眠れるよな。
背筋をピンと伸ばして、シャーペンを握ったまま。
めちゃくちゃ、器用だ。
――ん?
何だろう、あの本棚の上に乗ってるやつ。
位置が高すぎて、ここからじゃ確認できない。
健くんを起こしてしまわないように、そろりと移動する。
うーんと背伸びをして、手を伸ばすけど。
全くかすりもしない。
あと、5センチくらい身長があれば取れるのにぃ。
「どれが取りたいんだ? チビすけ」
――え?
本棚に映った影。
その影は、あたしの身長より遥かに高くて。
「これか。 ほらよ、おチビさん」
あたしの取りたかったものにスイっと手を伸ばし、いとも簡単に取ってくれた。
「あ、ありがと。 健くん」



